築37年 予算250万2K→200万1LDK 工事完了前に入居者決定
愛知県海部郡蟹江町にある一級建築士事務所のレトロデザインです。賃貸アパート賃貸マンションに特化し、賃貸物件の空室の原因を追究し、賃貸物件の収益を向上したい大家さんのための空室対策のご提案、そして入居者ファーストのリフォームリノベーション業を行っております。
当コラムでは、
愛知県蟹江町でリフォームリノベーション業を営むレトロデザインが、
愛知県の大家さん、名古屋近隣の大家さんに頼ってもらえる「建築の町医者」的な存在になれるよう、
大家さん目線での大家さんの悩みや疑問を解決していく投稿をしています
今回は他県在住のオーナー様より名古屋市内の築37年の賃貸物件のリノベーションのお問い合わせがあり、リノベーション完成前にご入居が決まりましたので、その流れをご紹介したいと思います。同じようにリノベーションをご検討されている方のご参考になれば幸いです。
まずはじめは、一本のメールでのお問い合わせがきっかけでした。
問い合わせ内容
・築37年賃貸マンションの1室のリノベーションを検討
・30年近く住まれた方が退去したため、間取りの仕切り・水回りすべて新調が必要な状態
・賃貸物件のため、予算は250万円
・名鉄山王駅から徒歩5分といった立地
・鉄筋コンクリート造 5階建 エレベーターなし 3階部分
・部屋の面積約30㎡
・改造前の間取り 2K
・設備類 洗濯機置き場がベランダ/和風便器/バランス釜浴槽/洗面化粧台なし
オーナー様が他県在住のため、電話とメール、ZOOMを使った内容の確認となりました。
退去後のお写真
30年近く住まれていたということもあり、傷みがひどい状態でした。
築年数が30年~40年ということで、間取りも当時のままです。30年以上も経過すると、住む人の生活様式もかわってきています。特に、洗濯機置き場がベランダにある、トイレは和式便座、お風呂はバランス釜、脱衣洗面所はないという点など、現状のままでは、家を探す人にとってはなかなか受け入れがたく、次の入居者を決めるのはなかなか厳しいものがあり、築年数の古さを感じさせない現代の生活様式に合わせたリノベーションが必要になってきます。
間取りの仕切り・水回り、設備、すべて新調が必要な状態でした。
オーナーさまのご希望
・2Kを1LDKにしたい
・予算は250万円(建築工事200万円 設備機器50万円)税別
・以前に改装した部屋があるが、なかなか入居者が決まらない
・家賃は近隣では最安値
・他の業者にも依頼してある
とのことでした。
→
リノベーション前 ご提案プラン
まず5月初めに当社だけで現地調査を行いプランと予算の作成(現場調査はオーナー立会無し)いたしました。
オーナー様が他県在住のため、ZOOMを使い、プラン・パースと平面図を使って、リノベーションプランの説明。設備機器を含めた総額250万円はどうしても不可能だったため、設備は施主支給していただくことにし、200万円の工事プランを提出いたしました。
予算内におさめるため、今回の工夫した点は以下の通りです。
コストダウン1 施主支給
今回は施主支給をしていただくことになりました。
施主支給とは、家を新築する際やリフォームリノベーションする際に、施主が自ら住宅設備や建材を自分で購入して、施工者に支給することです。施主が自ら住宅設備を提供するため、通常の工事よりも安くなるメリットがあります。
しかし、施主支給にはデメリットもあります。
施主支給で手配した設備に不備があった場合、ご自身でメーカーや販売会社に問い合わせをしていただくことになります。施主支給ではなく設備の手配からすべて施工業社に任せたリフォーム工事であれば、製品のメンテナンスやトラブルについては基本的に施工業社に相談することができます。
また施主支給は知識も必要です。最悪な例をあげるとしたら、『返品不可能な高額な商品を発注ミス』『納品遅れの為の遅延金の発生』などでしょうか。
納品が遅れてしまったため、工事の工期に合わせるため調整が必要になったり、工程がずれてしまい、職人が必要な時に届かず、遅延分の工賃が発生してしまうリスクもあります。
施工後の不備や不良が見つかった場合、販売業社の責任か、施工業社の責任なのか明確にできず、トラブルになる可能性もあります。
今回は打合せの結果、施工支給をしていただくことになりましたが、施工支給は業者によっては、嫌がられる場合があるので、必ず打ち合わせ時に「施主支給でもokかどうか」を確認するようにしてください。
全ての見積もりが出てきてから、金額を比較するような方法は、お互いの信頼関係のためにも良くありませんので、必ず見積もりを依頼する時点で確認を取ることが大切です。
コストダウン2 既存の間取りを活かす
コストダウンのコツ、それは、既存の間取りを活かすことです。マンションの場合、構造壁を撤去することはできませんが、制約の範囲内であれば間取り変更は可能です。
2Kとはキッチンスペース+部屋が2つの間取りのことです。キッチンスペースは4.5畳以下になります。昭和の時代によくある台所+和室2部屋の間取りですね。
新築や築年数が浅い物件はLDKのところが多く、2KやDK物件は古い印象を持たれがちです。そのため、2KやDK物件は使いにくいという印象があり、今のお客様には、人気がありません。ネットで物件検索をする際にも、間取り条件にチェックをいれることができるため、検索自体に引っかからないことも多く、露出が減る原因にもなっています。
→
リノベーション前 ご提案プラン
しかし、こちらの物件は、駅からも近いことから、立地としては悪くありません。もともと和室2部屋でしたが、入居者層を単身者向けをターゲットにし、キッチンと和室をつなげて、需要の高い1LDKに変更することにしました。
キッチンの壁を取り払えば、床面をつなげればLDKになります。部屋と床の高さが違う場合は、高さを合わせる工事も必要になります。
今回は、壁の位置は変えずに、既存の配管を利用し、キッチンの先にある壁を壊し、撤去し、ふすま部をふさぐことで1LDKプランにしました。
アクセントクロスはグレーに。レトロデザインが得意とする木目調との相性もよく、北欧風からモダン系のインテリアにも合わせやすいカラーです。
また、敬遠されがちな、『洗濯機置き場がベランダ/和風便器/バランス釜浴槽/洗面化粧台なし』もすべて新しくしました。
和室の定番、押入れもなくし、寝室にウォークインクローゼットにすることで使い勝手も改善。ウォークインクローゼットは扉をつけないことでその分を節約しました。
こちらについては、完成後の写真を後日施工実績の方に掲載しますので、あたらめてご紹介させてください。
玄関はもともと備え付けの下駄箱がありましたが、撤去し、なんでも収納できる棚を作りました。
棚の高さを変えることができ、靴だけでなく、大きなものやストック品、趣味のものをおくことができます。
わざわざ下駄箱を作る必要がないため、コストダウンできる他、玄関スペースを広く有効活用することができます。
玄関を入って正面に見えるものが、家の顔です。キッチンに繋がるドアも部屋の一部になりますので、ドアにもこだわりました。少し圧迫感を感じるドアも、大きなガラス付きの扉ドアなら、お部屋を明るい雰囲気にしてくれるアイテムです。
こちらも完成写真のほうが分かりやすいかと思いますので、あたらめて施工実績のほうでご紹介させていただく予定です。
オーナー様とはZOOMでのやりとりを行いながら、鳥瞰図やパーツを使い、イメージが伝わりやすくすることに心がけました。
最初のプランをベースに、オーナー様の要望を聞きながら最終プランを作製、予算を少しオーバーしたが、満足いただけるプランに仕上がったかと思います。
工事中、施主支給の衛生器具の納期調整もうまく進み、予定通り工事完成しました。
リノベーション結果
入居者募集に関しては、プランの説明で作成したパースを使って、工事中から仲介会社へ仲介依頼し始めたところ、なんと工事完了前に入居者が決定しました!
家賃も他の部屋より2割ほどアップすることができました。
問い合わせからの流れ
4月末に退去
5月現地調査、プランニング、工事契約
6月初旬工事着手
6月下旬入居決定
6月末工事完成
8月入居
家賃は譲れないが、綺麗な物件であれば築年数は妥協できる、リノベーション物件に抵抗がない方は多数いらっしゃいます。築古物件こそ、リノベーションは空室対策に有効的です。
お問合せ先
お気軽にご相談ください。お問合せ当社ホームページの問い合わせフォームからご連絡ください。
ご相談、お見積りは無料です。
お受けできる地域
名古屋市内をはじめ、愛知県、三重県、岐阜県など。遠方の方もお気軽にお問い合わせください
お問合せ方法
電話で問い合わせする
営業時間 平日9:00~18:00 のお時間でお電話ください。事務所にいない場合は、携帯へ転送されます。留守電の場合は折り返しご連絡させていただきます。
メールで問い合わせする
こちらから、必要事項をご記入の上、送信してください。遅くとも3日以内にはご連絡差し上げておりますので、万が一返信がない場合は、お手数をおかけいたしますが、再度お問合せください。