コラム 2021.01.30

空室対策で和室は洋室にリノベーションすべきか。和室を残すメリット・デメリット

空室対策で和室は洋室にリノベーションすべきか。和室を残すメリット・デメリット

レトロデザインです。愛知県蟹江町の一級建築事務所です。主に賃貸アパートマンションの空室が続くお部屋に新しいデザインで収益向上に特化したリフォームを行っております。

今回は、よくご相談をいただくことが多い『和室をリフォームした方がいいか』について考えてみたいと思います。

 

全室和室であればリフォームすべし

空室対策といえば、和室を洋室へリフォームすることが一番に頭に浮かぶと思いますよね。

 

もともと洋室のお部屋であれば、張り替えするのと違い、和室を洋室にするにはコストがかかります。

実際にレトロデザインへお問い合わせいただくお部屋は、築20年以上の賃貸アパートマンションが多く、築古物件の和室のリフォーム相談がほとんどです。

 

費用としては、そうですね、8畳(約14.6㎡)で約20~70万円が相場になりますでしょうか。和室の洋室化はコストがかかりますし、それが全部屋となるとオーナー様は悩まれてしまうでしょう。

 

賃貸経営は事業です。賃貸物件のリフォームにかける金額も考えていかなければいけませんが、ほったかしにしておくと、空室期間が長期及ぶことになり、さらに入居率が悪化してしまいます。悩むのはごもっともですが、決断も必要です。

 

全室洋室化する必要はない

全部屋和室の物件と全部屋洋室の二つの物件があります。
この二つを比べた場合、お部屋にしたほうがお客様の反応は一目瞭然です。やはり洋室のお部屋の方が人気でしょう。

 

しかし、フローリングが1部屋、和室が1部屋の場合は、あえて和室を残すという方法もあります。必ずしも全部屋洋室にする必要はありません。

実は和室は意外と需要があります。
リフォームリノベーション業を行う身としては、全部屋リフォームをお勧めするべきかもしれませんが、オーナー様に余計なコストをかけることなく、空室対策をご提案させていただいておりますので、立地や間取り、入居ユーザー様のライフスタイル、競合相手などを考慮して投資を行って欲しいと思っています。

 

和室は残していいと申し上げましたが、リビングダイニングが和室の場合は、洋室にしたほうがいいです。居室は和室でも問題はありません。

 

洋室へのリフォームはコストがかかる

和室の洋室へのリフォームはコストがかかります。具体的に見ていきましょう。

床の張り替え

まずは床です。畳を剥がしてフローリングに張り替える必要があります。

和室は畳を敷くために、床が少し低く作られています。そのため、高さを合わせるために下地の工事を行う必要があります。

レトロデザインへお問い合わせいただくお部屋は、断熱材や防音材が入っていないお部屋が多く、さらに断熱工事、防音加工を行なわなければいけません。

壁のリノベーション

古い和室は柱や鴨居などが見える真壁作りが一般的です。
洋室は柱などが見えない大壁作りが一般的です。

真壁を大壁にする場合、柱が隠れるようにボードを張って調整する必要があります。

 

元々和室は大きな家具を置くことはありませんが、洋室にすると家具を置くかと思いますので、大壁作りに工事する際、お部屋の使い勝手も考えて、コンセントやスイッチの移動や増設など電気工事を合わせて行うといいでしょう。

また、壁をクロス張りにすることで、お部屋の印象がかなり変わります。コストはかかりますが、カラークロスやアクセントクロスを張ることでオシャレな仕上がりになり、空室対策の効果もあるでしょう。

 

天井のリノベーション

床と壁だけではありません。天井も工事をする必要があります。
和室の天井は板張のことが多いです。洋室化するのであれば、壁と同じように天井もクロス張りに合わせましょう。

押し入れをクローゼットへ

和室には大体押し入れがついてきます。当たり前ですが、和室を洋室にするならば、押し入れをクローゼットにする必要も出てきます。

押し入れをクローゼットにする場合、中段を外し、中にハンガーパイプを取り付けます。
襖も折れ戸に変更します。

ただし、押し入れは一般的なクローゼットよりも30センチほど奥行きがあります。このやや深めな奥行きが微妙に使いにくいのです。
このサイズを変えず、そのまま活かすのであれば、奥に棚をつけたり、手前にポールをつけたりなど、使い方をイメージしましょう。

ウォークインクローゼットにしたい場合は、押し入れの床は強度不足のこともありますので、床補強が必要となります。

 

押し入れをクローゼットにする場合、あえて扉を付けず、ハンガーパイプをむき出しにし、カッコよく見せる方法もあります。せっかくのリフォームですから、デザイン性も上手に取り入れたいですよね。

合わせてお読みください

クローゼットの扉はいらない!?賃貸や狭小住宅に取り入れたいオシャレにカッコよくみせる方法

 

和室があっても入居は決まる

和室があるから入居が決まらないというわけではありません。
実際にリノベーションを行なわせていただき、コストの関係上和室を残した物件でも入居は決まっています。

和室があるから入居が決まらないという理由にはならないのです。

 

しかし、全室洋室であれば、家賃を上げることは可能でしょう。退去後の原状回復のことを考えると洋室の方がクロスやクッションフロアの張り替えで済みますので、和室よりもコストはかからないと言えます。

家賃アップの面、退去後の現状回復費用などを考えて、どこまでリフォームを行うべきか検討しましょう。

 

和室を残すメリットとは

もし所有の賃貸アパートマンションがファミリー層向けなのであれば、和室を残していてもメリットがあります。「畳のスペースは一部屋くらいは欲しい」という意見も実は多いのです。

小さいお子さんが自由に動き回ることができ、和室の方が安全

まだ寝がえりができないお子さんや伝い歩きのお子さんには、よく転んで頭をぶつけたりします。柔らかい畳が敷かれた和室は、もし転んだとしても、衝撃を吸収してくれ、固いフローリングより安全です。

畳は実は吸音性も高く、階下への足音や生活音が気になる賃貸暮らしであれば、吸音性に優れている和室は子供の遊び場にするといいでしょう。

 

子どもが小さいうちはベッドは危ないので、布団で川の字で寝たい

お子さんが小さいうちは、ベッドからの転落の危険もあり、目が届かない寝室で寝かせるよりも、リビングに隣接する和室に布団を敷き、川の字で寝たいというファミリー層の需要があります。

客間として使える

両親や知人が泊まりにきたときに、客間、寝室として使えます。
固い冷たいフローリングの上に敷く布団より、和室であれば障子や襖で仕切れば、お客様にもリラックスして就寝して頂けるでしょう。

 

ただこれも、全室洋室の物件や新築アパートマンションが溢れる地域では、競争力に差がついてしまいますので、競合相手との家賃相場を見ながら総合的に判断していきましょう。

和室を無くすメリット

和室を残すメリットをお話ししました。では逆に和室を無くすメリットはどういう点があるのでしょうか。

メンテナンスしやすい

それは、ズバリ、メンテナンスがしやすくなるという点です。畳は古くなれば交換が必要ですし、費用が高くなります。

古臭い匂いの原因になる

また、敏感な点で言えば、「古臭い匂い」でしょう。築古アパートマンションの和室は匂いがつきやすく、和室とセットで押し入れも嫌悪する臭いの原因になります。

臭い対策といれば換気ですが、長期空室が続いた物件であれば、密閉されたままの時間が長く続き、お部屋全体がカビ臭くなってしまいます。

せっかく内見があっても、見た目は掃除できても、臭いだけはすぐに消すことはできません。

間取りや家賃は重要な項目ですが、臭いも実は重要な項目です。
人は臭いに敏感です。ハウスクリーニングをし、部屋を清潔に見せていても、臭いが原因で入居を見送られるかもしれません。

 

お部屋の臭いの原因は和室の畳や押し入れ、漏水など、様々な原因が考えられますので、一人で判断せず、レトロデザインまでお問い合わせ下さい。

 

臭いに関することは合わせてこちらの記事もお読み下さい

空室対策。カビ臭さや悪臭が原因で入居者が決まらない場合は早急に原因究明を

家具が置けない

畳の上に重たい家具を置くと、畳が傷ついてしまうため、家具が置けない難点があります。畳が傷ついてしまうとメンテナンス費用もかかるため、家具を置く場合にはフローリングの方がメリットがあるでしょう。

 

まとめ

空室対策で、和室は洋室のリノベーションすべきかを考えてみました。
ターゲットユーザー、地域の需要、競合相手、かけるコストと費用対効果を考えながら、総合的に判断しましょう。

リフォームやリノベーションも不動産投資です。利回りで考える必要があります。

駅からも遠く、周りにライバルがいない状況で、お金をかけて全室洋室化する必要はありません。家賃を下げるだけで客付けできるかもしれませんし、駅から遠い条件は変えることができませんので、必須となる自転車や自動車を所有する入居者に向けて、駐輪場や駐車場の整備にコストをかけるようが有効的でしょう。

 

逆に駅に近い、周辺環境が充実しているなど、立地に恵まれているのであれば、洋室化を行い、家賃アップを見込んだほうがいいでしょう。

 

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